WP008 ダウンロード

  • Working Paper ID
    • WP008
  • Working Paper 名
    • イノベーションの成功は働く場所で決まる
      ~移転を伴う研究開発拠点の新設がイノベーションに及ぼす影響~
  • 作成年月
    • 2023年5月
  • 著者 (所属・作成時)
    • 吉田 公亮(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター)
    • 吉岡(小林) 徹 (一橋大学大学院経営管理研究科)
    • 牧 兼充(早稲田大学大学院 経営管理研究科准教授)
  • 著作権保持者
    • 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター・科学技術とアントレプレナーシップ研究部会
  • 概要
    • 研究開発拠点の新設はイノベーション創出を目指した戦略的行動として位置付けられ、多くの企業が実践している。特に昨今、事業環境の急激な変化に伴い、漸進的なイノベーションに加えて、非連続的なイノベーションの創出が求められていることから、研究開発拠点の新設は、新たな技術や市場情報、人材を獲得するための打ち手としてますます重要となっている。これまで、研究開発拠点の立地や複数拠点による研究開発の空間的分業がイノベーションの成果に及ぼす影響に関して、主に企業間での比較が行われてきた。一方で、研究開発拠点の新設はその中で働く研究者のイノベーション活動に影響を及ぼすと推測されるが、そのような観点での検証はこれまでほとんど行われていない。
      本研究では、公開特許データを活用し、移転を伴う研究開発拠点の新設が研究者のイノベーション活動に及ぼす影響を定量的に検証することを目的とする。対象企業として、2010 年に横浜市みなとみらい地区に約4,500 名収容の大型の研究開発拠点(みなとみらい事業所)を新設した富士ゼロックス株式会社を取り上げた。拠点新設前に海老名事業所に在籍していた研究者のうち、拠点新設に伴ってみなとみらい事業所に移動した研究者と、海老名事業所に残留した研究者からなる不均衡パネルデータを構築し、固定効果モデルによる重回帰分析を行うことで、新設拠点への移動が研究者のイノベーション活動に及ぼす影響を検証した。

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