[ STE Relay Column : Narratives 209]
丸川 友幸 「熱いぜ!牧ゼミ」

丸川 友幸 / 早稲田大学経営管理研究科

[プロフィール]公認会計士。2017年に慶應義塾大学卒業後、大手監査法人であるEY新日本有限責任監査法人に入所。上場会社監査、IPO支援業務を中心に従事。実務経験を経て、2021年に公認会計士開業登録。2022年に監査法人を退所し、短期の語学留学を経て、2023年より早稲田大学ビジネススクールに在学中。好きな監査論点は、「会計上の見積り監査」と「循環取引による不正会計」。趣味は将棋。特技は「世界地図を目隠しして一筆書き」。


■なぜ、牧ゼミに? それは一番「熱い」環境だから。

 「牧先生は2024年からサバティカルなので、2023年の全日制ゼミ生の募集はしていない」という事実を知ったのは2023年3月29日。私は「そんな馬鹿な・・・。」と溜息を漏らしていました。なぜならば、入学前に確認したゼミ2023年度開催予定一覧には、「イノベーションとアントレプレナーシップ 准教授 牧兼充」があったのだから。
 遡ること1週間前、「春学期何を取ろうかなぁー」シラバスを検索していた時にある講義の存在を通じてはじめて牧先生を知りました。その講義は「エビデンス・ベースド・マネジメント(通称EBM)」、シラバスには「本来であれば博士課程レベルの内容をMBAの学生に提供するものであり(中略)、WBSにおいて、もっとも負荷の高い授業であると自負している。」との記載が。もう少し読み進めると、「社会科学のための定量研究法」を学ぶ授業とのこと。正直、科学も定量研究も今まで一度も触れたことはなく、どちらかと言えば歴史や哲学などの定性の方が好きではありました。とは言え、同時にこうも思いました、「この先生の周りは熱い!」と(物理的な意味ではありません)。
 私自身のモットーは、「自分の環境設定にこだわる」こと。自分の気質が「真面目だけど怠惰」、置かれている環境の性質にとても引っ張られやすい(染まりやすい)タイプなので、どういった環境を選ぶのかが自分にとって一番大事でした。「WBSでの2年間を楽な環境で過ごすのは、もったいない!じゃあ、一番熱いところに身を置こう!そしたらあとは入学後の自分が頑張るだろう!」という極めて楽観的な思考のもと、牧ゼミの門を叩く決意をしたのです。
 その後、3月29日を迎え、早速出鼻を挫かれた私(冒頭に戻る)。
 
 3月31日に、以前より親しくして頂いていたM2のたまさん(玉井慎也さん)と、同期のなやさん(納谷英樹さん)に、入学お祝い会をして頂きました(感謝)。そのこの話をしたところ、「牧先生に一回話してみたら?もしかしたらサブゼミ生として受け入れてくれるかもよ!」というアドバイスをもらいました。続いて、4月3日の夜には有志による入学者向けゼミ紹介会があり、牧ゼミM2のともこさん(高崎朋子さん)と話す機会をGET。牧先生の「熱さ」を語っていただき(高崎さんもめちゃくちゃアツイ!!)、牧ゼミモチベーションがMAXに到達しました。その勢いで、牧先生にご連絡し、面談をして頂けることに。先生の熱い面談を経て、無事牧ゼミサブセミ生になることになったのでした。

■牧ゼミを英単語で表すなら? 「Interactive&Trust」
 さて、無事に牧ゼミ(全日制)に所属してから3カ月が経過しました(執筆中現在)。私同様にこのリレーコラムの執筆活動に勤しんでいる唯一の牧ゼミ同期生のゆめさん(内堀夢弥さん)から、「ゼミ活動の話はマルちゃん書いていいよ(私は他にもたくさん書くことあるから)」とのお達しが来たので、牧ゼミについてこれまでのことを振り返ってみようと思います。
 ゼミ活動の詳細はここでは割愛しますが、終始牧先生が大事にしていた要素の一つとして「Interactive」があります。修了発表や輪読など様々なゼミ活動の中で、「聞いて終わり」「知って終わり」「発表して終わり」になることはまずありません。聞いたら「何か質問はないか?」、知ったら「どう活かすのか?」(ここ特に重要)、そして発表したら牧先生からの鋭い質問が投げかけられます
 そして、もう一つが「Trust」。ゼミ活動で行っている「Life story presentation」は、まさにゼミというお互いにTrustできるメンバーだからこそできるコンテンツです。各自15分前後で自らのweak point(strong point)をさらけ出す形で、自分の人生についてのプレゼンを行います。正直、自分の強み(表面的な部分)を見せる発表は何回もやってきましたが、弱み(深い部分)をプレゼンする機会はなかなか無いものです。それをお互いに話合える、というのはまさにお互いの「Trust」がないとできないものと思います。この「Trust」を支えているのが「Diversity」。ゼミ生は現在12名なのですが、5つの文化圏(国籍)に跨っています。そのため同じ文化圏のみのメンバーだと発生しがちな、「同じ文化圏ゆえの言いづらさ」みたいなもの(言葉にするのがとても難しい)がありません。バックグラウンドが全然違うため、お互いの価値観や文化を尊重することが前提となり、結果として、「Trust」が生まれているのだろうな、と感じます。
 9月には、春学期の総仕上げとしてサンディエゴへのスタディツアー。

牧ゼミ、さらに「熱く」なります。


次回の更新は7月28日(金)に行います。