小野 克樹 / 早稲田大学 アジア太平洋研究科 修士課程
EDGEプログラムとの関わりとしては、起業家養成講座・ビジネスモデルデザイン・ビジネスモデル仮説検証・WASEDA DEMO DAY・SUMS PITCHそしてMicroMBAなどがあります。第三回WASEDA DEMO DAYではSUMS×WASEDA EDGE賞と瀧口教授のメンター賞を、SUMS PITCHでは優秀賞を頂きました。
学外では、Gaiax Startup Studioでのインターンをしています。その他には、東大先端研の障害者のリーダー養成プロジェクトのDO-IT JAPANに参加して、教員に当事者の視点から、障害とは何かを伝える活動などをしています。
⒈ 私が起業を志す理由、それに伴う行動とMicro MBA
私は起業して、多様性が内包された社会を創ろうとしています。何故、このような社会を私が起業によって創りたいと考えているのかというと、政治から社会を変えるアプローチやボランティアで社会を変えるアプローチなどよりも、現代に於いてはビジネスで社会を変えることが社会により大きなインパクトを与えられると私は考えているからです。私が多様性が内包された社会を創る必要があると考える理由は、現在においてもマイノリティに対する偏見や差別、固定的な見方は多くあり社会にロスを生み、マジョリティ・マイノリティ双方にとって好ましくない状況にあると思われるからです。そのような社会を変えることで、世界はより暮らし易く、より多くの人が自己実現できる世界になると考えています。
この目標達成の為に、私は起業に関する知識を学んでいます。主に私はEDGEプログラムから起業に関する知識を学んでおり、中でも堤教授によるビジネスモデル仮説検証の講義で学んだリーンに関する知識には自信があります。またインターン先でもリーンを使用してインキュベーションしている職場である為、更に学習を深められています。堤教授がアントレプレナーの教科書などの著者スティーブ・ブランク氏寄りのメソッドであるのに対して、インターン先ではRunning Lean の著書アッシュ・マウリヤ氏寄りのメソッドである為、相乗効果が高くなっています。このリーンの知識を活かして、ビジネスアイデアをブラッシュアップして、WASEDA DEMO DAYと SUMS PITCHで合わせて3つの賞を頂きました。
では何故、私がMicroMBAを受講したのかというと、リーンに関するメソッドだけでは学べないビジネスの細かいメソッドを学びたいと思ったからです。リーンに関するメソッドの主要な要素の一つは仮説検証を繰り返して、顧客が本当に必要とするプロダクトを生み出すことにあります。この顧客が本当に必要とするプロダクトのアイデアを生み出す時の戦略の立て方やプロダクトを生み出した後のグロウスに向けたメソッドがリーンでは弱い要素だと私は考えています。その為、私はMicroMBAでこの要素を学ぶことに注力していました。具体的には、プロダクトコンセプトの作り方、プライシング、効果的なマーケットリサーチの方法などです。
⒉ Micro MBAでの学び
ここまでは、私が起業したい理由、その為に学んできたこと、何故私はMicroMBAを受講したのかについて述べてきましたが、ここからは、実際私が学んだことを一つ一つのセッションを振り返りながら、説明していきます。
まず、セッション1について、このセッションではフードトラックなどでアイスなどを販売する起業を行うというシミュレーションゲームを通して、学習を深めました。私が印象的だったのは、ランキングにリーンの有効性が明確に現れていたことです。MVPで検証を繰り返してPMFを見つけ、そこに集中してリソースを使った人達が上位を占めていたのです。あくまでシミュレーションゲームですが、ランキングでリーンの有効性を確認出来たのは、私にとって意義深いことでした。
セッション2ではニューロ・マーケティングについて学びました。このセッションでは、私がMicroMBAで学びたいと思っていたプライシングについての言及もあり興味深かったです。具体的には、価格と商品を提示する順で購買率が変わるということがありましたが、このことは脳に関する科学的な裏付けがあるとのことで、ニューロ・マーケティングの革新性を感じ、これを活用しない手はないと思いました。
セッション3ではファイナンスについて学びましたが、会計報告書のポイントを押さえて見ていくことで、その会計報告書の会社名が不明でも業種が特定出来るとは画期的でした。また会計報告書から会社の戦略が見えることも斬新でした。学部で会計は学びましたが、このようなすぐ使えるものではなかったのでMVAの凄みを感じました。
セッション4では、デザインについて学びました。中でも印象的だったのはデザイン思考のワークショップです。何故印象的だったかというと、私はデザイン思考をこれまで使用してきたので、その概要は知っていましたが、課題の表面を見て課題の本質を捉えず、デザイン思考を使うことがいかに愚かで、革新的なアイデアを生み出さないと体感出来たからです。これからは課題の本質を掴むことにもっと時間を割こうと思いました。
セッション5では戦略について学びました。これまで、私はポーターは古典なので学ぶ必要はないとかってに思っていましたが、そのフレームワークによるマーケティングリサーチの有効性を見せつけられてしまった今、学ばない訳にはいかないと思いました。戦略を体系的に学ばない愚かさを痛感したと言えます。
最後にセッション6では、実証の有効性について学びました。事前課題や講義を通して、自らのもっともらしい予想はおおよそ間違えていて、実証こそに価値があることを学びました。これまでもABテストなどは知っていましたが、実証の必然性を知ったからには、その実証方法・計画の立て方など学ぶ必要があると思いました。
以上のように私はMicroMBAでビジネスに欠かせないエッセンスを学べたと言えます。ただエッセンスである為、これを起点に学びを深めていく必要があります。
⒊ これからについて
最後に私のこれからについて書きます。私は現在、ビジネスコンテストに参加したアイデアに関するプロジェクトと多様性が内包された社会を創る為のプロジェクトに取り組んでいます。どちらのプロジェクトに於いても、今回MicroMBAで得た知識はフル活用していこうと考えています。何故なら、スタートアップには、革新的なアイデアとスピードが不可欠であり、その為には、素早く最適な判断をする必要があるので、今回学んだ知識を使うことで、このことを実行しなければならないからです。私はこれからも実践を繰り返しながら、学び続けていきます。私がこの世界をより良くすることに期待しながら、応援して頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。
次回の更新は4月9日(金)に行います。